離婚調停の流れは「申立て→第1回期日→期日を重ねる→成立(または不成立)」の4段階で、家庭裁判所で親権・財産分与・養育費などを話し合います。申立費用は収入印紙1,200円程度、平均審理期間は約6.8か月・期日3.6回が目安です(最高裁判所の司法統計・令和6年)。
この記事でわかること
- 離婚調停の流れは申立て→第1回期日→期日を重ねる→成立/不成立の4段階
- 調停で決まることは「子の問題(親権・養育費・面会交流)」と「お金の問題(財産分与・年金分割・慰謝料)」に分けて考える
- 親権・財産分与は合意を目指す話し合いで、まとまらなければ不成立→裁判へ進むことがある
- 協議・調停・裁判は費用・期間・強制力が違うため、浮気など争いの度合いで選ぶ
- 浮気の証拠は合法に集めたものだけが調停・裁判で使いやすい(違法収集はリスク)
離婚調停の流れは「申立てから成立」までの4段階
離婚調停とは、家庭裁判所で調停委員を介して離婚の条件を話し合い、合意による解決を目指す手続きです。夫婦が直接顔を合わせず、別々の待合室で交互に話を聞いてもらう形で進みます。
先に結論です。離婚調停の流れは、「申立て→第1回期日→期日を重ねる→成立(または不成立)」の4段階で進みます。まず全体像をつかんでおくと、次に何を準備すればよいかが見えてきます。
夫婦だけの話し合い(協議)でまとまらないときに、第三者である調停委員が間に入ります。裁判とは違い、あくまで双方の合意を目指すのが調停です。
調停の前提として知っておくこと
離婚調停は、離婚そのものだけでなく、離婚に伴うお金や子どもの条件もまとめて話し合えます。相談を受ける現場でも、「離婚だけ先に決めたい」と焦って条件を詰め切らないまま進めた方の後悔は少なくありませんでした。
- 申立先:原則、相手方(配偶者)の住所地を管轄する家庭裁判所
- 話し合う相手:配偶者本人ではなく、男女2名の調停委員を介する
- 決め方:一方的な判決ではなく、双方が納得できる条件で合意する
- まとまらない場合:不成立となり、離婚裁判(訴訟)に進む選択肢が残る
離婚を切り出す前の全体像は離婚を決意したら何から始めるかで、浮気が原因の場合の進め方は浮気から離婚までの流れで整理しています。
離婚調停の流れ|申立てから成立までの手順
先に結論です。離婚調停の流れは、申立ての書類提出から始まり、平均で3〜4回の期日を重ねて成立か不成立が決まります(最高裁判所の司法統計・令和6年では平均審理期間 約6.8か月・平均期日回数 3.6回)。
各ステップでやることは、次のとおりです。焦らず一段ずつ進めるのが、結局は近道になります。
離婚調停の流れを4ステップで示します。

- ① 申立て:家庭裁判所に申立書・戸籍謄本などを提出。費用は収入印紙1,200円分+連絡用の郵便切手(裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」・2026年7月時点)
- ② 第1回期日:申立てからおおむね1〜2か月後に最初の話し合い。呼出状が届く
- ③ 期日を重ねる:1か月〜1か月半に1回のペースで期日を重ね、条件を詰めていく
- ④ 成立/不成立:双方が合意すれば調停成立(調停調書を作成)。まとまらなければ不成立
申立てで準備するもの
申立ての段階でつまずかないよう、書類は早めにそろえます。詳しい必要書類は家庭裁判所の窓口や公式サイトで確認できます。
- 申立書:裁判所の書式に沿って作成(離婚の希望条件を記載)
- 戸籍謄本:夫婦の戸籍全部事項証明書
- 事情説明書・進行に関する照会回答書:家庭裁判所が用意する書式
- 年金分割の情報通知書:年金分割を求める場合
期日では、調停委員が双方から交互に話を聞き、論点を整理してくれます。感情的に相手を責める場ではなく、条件を決める場だと意識しておくと、話が前に進みやすくなります。
離婚調停で決まること|親権・財産分与などの争点
先に結論です。離婚調停で決まることは、「子どもに関すること」と「お金に関すること」の大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
離婚の同意だけでなく、離婚後の生活を左右する条件をまとめて話し合えるのが調停の特徴です。どれか一つでも合意できなければ、成立しないこともあります。
調停で話し合う主な項目を、2つの系統に分けて整理します。

子どもに関すること
- 親権:未成年の子の親権者をどちらにするか
- 養育費:金額・支払期間・支払方法
- 面会交流:別居・離婚後に子と会う頻度や方法
お金に関すること
- 財産分与:婚姻中に築いた財産をどう分けるか
- 年金分割:厚生年金の納付記録を分割する割合
- 慰謝料:不貞やDVなど、離婚原因を作った側への請求
- 婚姻費用:別居中の生活費の分担
これらのうち、特に争いになりやすいのが親権と財産分与です。相談の現場でも、この2つで折り合えず期日が長引くケースをよく見てきました。次章で詳しく見ていきます。
親権と財産分与の決まり方|調停での考え方
先に結論です。親権と財産分与は、法律の基準を踏まえつつ「双方が納得できる合意」を目指して話し合います。どちらも一律の答えはなく、個別の事情で結論が変わります。
ここは判断が難しい部分なので、具体的な見通しは弁護士に相談するのが安全です。以下は一般的な考え方の整理にとどめます。
親権はどう考えられるか
親権は、「子の利益(子にとって何が良いか)」を中心に判断されるのが一般的です。これまで主に子を養育してきた実績、生活環境の安定、子の意思(年齢による)などが考慮されます。
- 収入の多い少ないだけで決まるわけではない
- 別居時にどちらが子と暮らしているかが影響することがある
- 感情的な対立より、子の生活の継続性が重視されやすい
財産分与はどう考えるか
財産分与は、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を分けるのが基本で、原則2分の1を目安に話し合われることが多い項目です。ただし個別事情で割合は変わります。
- 対象になりやすい:預貯金・不動産・自動車・退職金の一部・保険解約返戻金
- 対象になりにくい:結婚前からの財産・相続で得た財産(特有財産)
- 注意点:相手が財産を隠すと分与が不利になるため、把握できる資料を整えておく
こうした基準はあくまで一般論です。自分のケースでどうなるかは、離婚問題にくわしい弁護士に確認してください。
調停・協議・裁判の違い|浮気が絡む場合の選び方
先に結論です。離婚の進め方は協議・調停・裁判の3つがあり、費用・期間・強制力が違うため、争いの度合いで選びます。浮気(不貞)が絡み対立が深いほど、調停・裁判が視野に入ります。

いきなり裁判はできず、多くの場合まず調停を経る(調停前置主義)のが原則です。3つの違いを押さえておくと、自分がどの段階にいるか分かります。
3つの進め方の比較(2026年7月時点)
| 進め方 | 特徴 | 費用の目安 | 決着のしかた |
|---|---|---|---|
| 協議 | 夫婦だけで話し合い離婚届を出す | ほぼ不要 | 双方の合意 |
| 調停 | 家裁で調停委員を介して話し合う | 収入印紙1,200円+切手 | 双方の合意(不成立あり) |
| 裁判 | 家裁に訴訟を起こし判決を求める | 収入印紙・郵券が増える | 裁判所の判決 |
表のとおり、協議→調停→裁判の順で費用と期間が増え、強制力も上がります。浮気が原因で相手が離婚や条件に応じない場合、協議でまとまらなければ調停へ進むのが一般的な流れです。
浮気そのものがどう離婚に結びつくかは浮気から離婚までの流れで詳しく整理しています。
浮気の証拠は離婚調停でどう扱われるか
先に結論です。浮気(不貞)の証拠は、慰謝料の請求や離婚原因の主張で役立つことがありますが、合法的に集めた証拠でなければ、後の話し合いで使いにくくなることがあります。
調停は話し合いの場ですが、不貞の事実を示す資料があると、慰謝料などの条件を交渉する材料になり得ます。ただし証拠の「集め方」には注意が必要です。
証拠の集め方で気をつけること
自分で証拠を集めようとして、かえって不利になる例を相談の現場でも見てきました。手段を誤ると、証拠として扱いにくくなるだけでなく、自分がトラブルの当事者になることもあります。

- 合法に集めたもの:共用スペースの状況、公開情報、正規の調査で得た報告書など
- リスクがある行為:配偶者のスマホを無断で見る・車に無断でGPSを付ける・相手宅に無断で入るなど
- なぜ問題か:これらはプライバシーや所有権をめぐるトラブル・法的責任につながり、証拠の扱いも難しくなる
浮気が離婚原因として問題になり、証拠を残したい場合は、自力の無理な調査ではなく、探偵業法の範囲で調べる正規の探偵事務所に相談するのが安全です。合法的に集めた報告書は、後の話し合いでも使いやすくなります。
事務所の選び方や料金の見方は探偵事務所のおすすめ比較で、公表データをもとに整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q1:離婚調停の流れを簡単に教えてください。
離婚調停の流れは、①申立て→②第1回期日→③期日を重ねる→④成立(または不成立)の4段階です。家庭裁判所で調停委員を介して親権・財産分与・養育費などを話し合い、双方が合意すれば成立します。まとまらなければ不成立となり、離婚裁判に進むことがあります。
Q2:離婚調停はどれくらいの期間・回数がかかりますか?
最高裁判所の司法統計(令和6年)では、平均審理期間が約6.8か月、平均の期日回数が3.6回です。申立てから第1回期日まで1〜2か月、その後は1か月〜1か月半に1回のペースで期日を重ねるのが一般的です。争点が多いほど長引く傾向があります。
Q3:離婚調停の費用はいくらかかりますか?
申立て自体の費用は、収入印紙1,200円分+連絡用の郵便切手です(裁判所「夫婦関係調整調停(離婚)」・2026年7月時点)。郵便切手の額は家庭裁判所ごとに異なります。弁護士に依頼する場合は、これとは別に相談料・着手金・報酬などがかかります。
Q4:離婚調停で親権はどのように決まりますか?
親権は、「子の利益(子にとって何が良いか)」を中心に話し合われます。これまで主に養育してきた実績、生活環境の安定、子の意思(年齢による)などが考慮され、収入の多寡だけで決まるわけではありません。個別の見通しは、離婚問題にくわしい弁護士にご相談ください。
Q5:浮気の証拠は離婚調停で使えますか?
不貞の証拠は、慰謝料の請求や離婚原因の主張の材料になり得ます。ただし、スマホの無断閲覧や車への無断GPS装着など違法な手段で集めた証拠は注意が必要です。トラブルや責任につながり、後の話し合いで使いにくくなることがあります。証拠を残したい場合は、探偵業法の範囲で調べる正規の探偵事務所への相談が安全です。
まとめ|離婚調停の流れは4段階、争点は親権と財産分与
- 離婚調停の流れは申立て→第1回期日→期日を重ねる→成立/不成立の4段階
- 期間は平均約6.8か月・期日3.6回、申立費用は収入印紙1,200円+切手が目安(司法統計・令和6年)
- 決めることは子の問題(親権・養育費・面会交流)とお金の問題(財産分与・年金分割・慰謝料)
- 親権は子の利益、財産分与は夫婦で築いた財産の分け方を軸に合意を目指す
- 浮気の証拠は合法に集めたものだけが使いやすく、無理な自力調査は避ける
離婚調停は、感情をぶつける場ではなく、離婚後の生活を決める条件を一つずつ合意していく場です。全体の流れと決めるべき項目を先に押さえておけば、期日での話し合いも落ち着いて進められます。
親権・財産分与の具体的な見通しや、不成立後の裁判については、離婚問題にくわしい弁護士に相談してください。浮気が原因で証拠が必要なときは、違法な自力調査ではなく、正規の事務所へ相談するのが安全です。
免責事項
※本記事は裁判所の公開情報などをもとに離婚調停の一般的な手続きを整理した参考情報であり、特定の結論や結果を保証するものではありません。記載の費用・制度・統計は2026年7月時点の公開情報を参考にしており、最新の手続き・必要書類は各家庭裁判所の公式情報でご確認ください。親権・財産分与・慰謝料などの個別の法的判断は、弁護士など専門家にご相談ください。

